2010年3月16日

夏目漱石「こころ」を読む

1985年に一度読んだ本の読み返し。読みやすかったのを覚えていたが、今度もスムーズに読めた。「私」の父が病気を患いながらも元気であった姿から、病気が進行し動けなくなっていく描写は、一昨年のテレビドラマ「風のガーデン」を思い出し、つらかった。「先生」が私に宛てた遺書には、過去に「お嬢さん」を巡る恋愛のいざこざから?友人「K」が自殺してしまったことが書かれていた。「K」の自殺は不幸であるが、「先生」はそれに対して罪の意識があるならばかつての「お嬢さん」である「妻」を幸せにし、生き抜かなければならないと思う。妻にさびしい思いをさせながら生き続けつつも、最後は、明治天皇の崩御にあわせ「殉死」を持ち出し、自殺の道を選んでしまう「先生」は身勝手な子どものよう。対照的に「私」は大人にみえた。