2010年4月12日

井上靖「あすなろ物語」を読む

中学以来の読み返し。当時、たしか小学校のときに通っていた塾の国語の問題に一節が載っていて、印象に残っていたのを思い出し、読んでみようとおもったはず・・だったが、今回読み終わってみると僕の想像していたシーンはなし。もしかしたらそれは「しろばんば」だったのかもしれない。
主人公鮎太の少年から壮年までの成長の過程を6つの物語にした作品。「翌檜(あすなろ)は明日檜になろうと一生懸命考えながら、一生檜になれない木」。人間もそういうもの。だがそんなところがいじらしい。そういう人たちが出てくるはなし。なかでも最初の話のインパクトが強い。透きとおった透明感。やっぱり少年は年上のお姉さんの影響を強く受けますな。

2010年3月16日

夏目漱石「こころ」を読む

1985年に一度読んだ本の読み返し。読みやすかったのを覚えていたが、今度もスムーズに読めた。「私」の父が病気を患いながらも元気であった姿から、病気が進行し動けなくなっていく描写は、一昨年のテレビドラマ「風のガーデン」を思い出し、つらかった。「先生」が私に宛てた遺書には、過去に「お嬢さん」を巡る恋愛のいざこざから?友人「K」が自殺してしまったことが書かれていた。「K」の自殺は不幸であるが、「先生」はそれに対して罪の意識があるならばかつての「お嬢さん」である「妻」を幸せにし、生き抜かなければならないと思う。妻にさびしい思いをさせながら生き続けつつも、最後は、明治天皇の崩御にあわせ「殉死」を持ち出し、自殺の道を選んでしまう「先生」は身勝手な子どものよう。対照的に「私」は大人にみえた。

2009年5月30日

幸田文「おとうと」を読む

過去に挫折したシリーズの2冊目。91年2月13日に購入。そのときは途中48頁で挫折したが、今回は一気に読みきった。父、継母、姉(げん)、弟(碧郎)のちょっと冷えた4人家族で、最後は「おとうと」が結核になり亡くなる話。全体を通して、作者が読者に対して、伝えたいものがある感じではないが、話の情景がよく頭に浮かんできて、読み易かった。ただ、寂しい話。今度はもう少し楽しいものを読もう。

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